40代後半の頃、私は少しずつ体の異変を感じるようになりました。
眠れない。
食べられない。
何をしていても気持ちが沈む。
最初は「更年期だからかな」と思っていました。
40代後半なら、誰でも一度はそう考えるのではないでしょうか。
でも、今ならはっきり言えます。
私の心と体を壊した一番の原因は、更年期ではなく、夫から受け続けた無視とモラハラでした。
このページでは、家庭内別居から始まり、心身を壊して仮面うつ病と診断され、そして離婚後に少しずつ健康を取り戻すまでの体験を書いています。
今、同じような苦しみの中にいる方の参考になれば嬉しく思います。
家に帰るのが怖かった毎日

当時の私は、夫と家庭内別居の状態でした。
同じ家に住んでいるのに、会話はありません。
私が話しかけても返事はなく、目も合わせてもらえない。
まるで家の中に存在しない人間のように扱われる毎日でした。
何か気に入らないことがあると無視が始まり、それが何日も、何週間も続くこともあります。
理由も分からないまま責められ、否定され、冷たい態度を取られる。
そんな生活を続けるうちに、私は「また何か怒らせてしまったのかな」と、いつも夫の顔色ばかりうかがうようになっていました。
家は本来、心が休まる場所のはずです。
でも私にとっては、一番緊張する場所でした。
仕事をしている時間の方が、ずっと気持ちが楽だったくらいです。
まさか、この生活が私の体まで壊していくとは、その時は思ってもいませんでした。
少しずつ心も体も壊れていった

最初は眠れなくなりました。
夜中に何度も目が覚め、朝起きても疲れが取れません。
次第に食欲もなくなり、一口食べるだけで胃がいっぱいになってしまいます。
やがて、一日にバナナ一本食べるのがやっとという日もありました。
大好きだったお寿司もケーキも食べられません。
食べることが楽しみではなく、苦痛になっていました。
体重はどんどん減っていきました。
周りからは「痩せたね」と言われましたが、嬉しいどころか、「私はこのままどうなってしまうんだろう」という不安しかありませんでした。
当時働いていた旅行関係の会社は、人間関係にも恵まれ、本当に楽しい職場でした。
年末には温泉での忘年会も予定されていました。
毎年楽しみにしていた行事でしたが、その頃の私は、お酒どころか食事もまともにできる状態ではありません。
結局、参加することを諦めました。
心だけではなく、体まで壊れてしまっていたのです。
病院を回っても原因が分からなかった

何とか原因を知りたくて、私は何軒もの病院を受診しました。
最初は内科です。
逆流性食道炎と診断され、薬を飲みました。
しかし、症状は改善しません。
胃カメラを受けても異常なし。
血液検査も異常なし。
「どこも悪くありませんよ」
そう言われるたびに、私は途方に暮れました。
食べられない。
眠れない。
体が動かない。
こんなにつらいのに、検査では異常がない。
もしかしたら、まだ見つかっていない重い病気なのではないか。
そんなことまで考えるようになっていました。
その後、婦人科では「更年期でしょう」と言われ、漢方薬を処方されました。
でも、それでも何も変わりませんでした。
そんな時、妹から言われたのです。
「病院で異常がないなら、精神的なものじゃない?」
その言葉をきっかけに心療内科を受診し、私は仮面うつ病と診断されました。
心ではなく、体に症状が出る病気だった

仮面うつ病という病名を聞いた時、最初は驚きました。
「うつ病」と聞くと、涙が止まらなかったり、一日中落ち込んでいる状態を想像していました。
でも私の場合は違いました。
症状は、体に現れていたのです。
食べられない。
眠れない。
胃が苦しい。
体が動かない。
原因は心だったのに、その苦しみは体に現れていました。
薬を飲み始めると少し楽になる日もありました。
それでも根本的な原因がなくならない限り、本当に元気になることはありませんでした。
夫と同じ家で暮らし続ける限り、このままでは治らない。
私はそう思うようになりました。
そして、「離婚」という二文字を現実的に考え始めたのです。
離婚を決意してから希望が見え始めた

妹たちは、
「こっちに戻ってくればいい。」
そう言ってくれました。
その言葉にどれだけ救われたか分かりません。
離婚を決意してからは、お金を貯め、弁護士に相談し、少しずつ準備を始めました。
「いつか、この家を出られる。」
その希望だけが、私を支えてくれていました。
そして約2年後、ようやく実家へ戻ることができたのです。
離婚後、体は驚くほど回復した

もちろん、離婚は簡単ではありませんでした。
仕事を辞め、住み慣れた土地を離れ、他県にある実家へ戻る。
将来への不安もありました。
でも、三ヶ月ほど何も無理をせず、ゆっくり体を休めることにしました。
すると、不思議なくらい体が変わり始めたのです。
気がつけば食事ができるようになっていました。
夜も眠れるようになりました。
朝起きることが苦痛ではなくなりました。
自然と笑えるようになり、薬も必要なくなっていきました。
あれほど苦しかった体調不良は、夫と離れて生活するようになってから、少しずつ消えていったのです。
あの不調は、更年期だけではなかった

更年期の影響も、もちろんあったのかもしれません。
でも、今振り返ると、それだけでは説明できません。
夫からの無視。
人格を否定されるような言葉。
家庭内で居場所を失った毎日。
そんな積み重なったストレスが、私の心と体を限界まで追い詰めていたのだと思います。
人の心と体は、思っている以上につながっています。
無理を続ければ、必ずどこかで悲鳴を上げます。
私は、その悲鳴を体調不良という形で受け取ったのでしょう。
今の私は、心も体も元気です

今では、よく食べ、よく眠り、よく笑う毎日を送っています。
あの頃は、この苦しみが一生続くのではないかと思っていました。
でも、人は環境が変わることで回復することがあります。
もし今、誰にも理解されず苦しんでいる方がいるなら、一人で抱え込まないでください。
助けを求めることも、休むことも、その場所を離れることも、自分を守るための大切な選択です。
私は離婚によって人生を取り戻しました。
そして今、心から思います。
人生は、何歳からでもやり直せるのだと。




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