離婚後、新しい生活を始めるために正社員として就職しました。
仕事に就けたことには安心したものの、手取りは15〜16万円ほど。ボーナスも少なく、昇給もほとんど期待できない状況でした。
「このままでは老後の生活が不安……。」
そう感じた私は、自分の将来のために国家資格である宅地建物取引士(宅建)の取得を目指すことを決意しました。
今回は、50代で宅建に挑戦し、2回目の試験で合格するまでの体験談や、実際に行った勉強方法についてお話しします。同じように将来への不安を抱えている方の参考になればうれしいです。
資格取得の中で宅建を選んだ理由

将来のことを考えたとき、「今のままでは生活は変わらない」と感じました。
そこで目を向けたのが、国家資格である宅地建物取引士(宅建)です。
宅建を選んだ理由は、資格を持っていることで資格手当が支給される会社が多く、少しでも収入アップにつながる可能性があると考えたからです。
また、不動産会社では従業者5人に1人以上の割合で宅建士を配置することが法律で義務付けられており、需要がなくなりにくい資格だという点にも魅力を感じました。
年齢を重ねても活かせる国家資格なら、この先の転職や再就職でも自分の強みになるはず。そう思い、「やるなら今しかない」と宅建への挑戦を決意しました。
仕事をしながらの勉強は短期集中だった

最初の挑戦は、できるだけ費用をかけたくないという思いから独学を選びました。
仕事をしながら時間を見つけて勉強を続けましたが、思うように知識が定着せず、結果は不合格。合格発表で自分の受験番号がなかったときは、とても悔しかったことを今でも覚えています。
それでも、「もう無理だ」と諦めようとは思いませんでした。むしろ、一度挑戦したことで宅建試験の難しさを実感し、「独学では限界がある」と感じたのです。
翌年は勉強方法を見直し、合格率の高さで評判だった通信講座「フォーサイト」を受講することにしました。
動画では時々、講師の方が励ましの言葉をかけてくれましたので、挫けそうになった時もなんとか最後まで頑張ることができました。
教育訓練給付制度を利用したのでお得に受講することができたのもよかったです。雇用保険の加入期間が通算1年以上あれば対象になりますよ。
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勉強を始めたのは5月。本試験が行われる10月までの約5か月間を勝負期間と決め、短期集中で取り組むことに。
平日は仕事を終えてから毎日3時間ほど、休日は7時間以上机に向かう日も珍しくありませんでした。
また、車通勤の時間も貴重な勉強時間です。朝夕の通勤中はYouTubeの宅建講義を流し、運転しながら耳で学習を続けました。テキストを見ることはできなくても、何度も聞くことで重要なポイントが自然と頭に入っていきました。
振り返ると、あれほど勉強したのは学生時代以来だったと思います。それでも、「合格して今の自分を変えたい」という気持ちがあったからこそ、最後まで努力を続けることができました。
宅建の勉強のコツ

宅建試験を受ける中で、私が一番意識していたのは、「合格点ギリギリを狙わない」ということでした。
宅建試験は、50点満点で何点以上取れば必ず合格という絶対評価ではありません。その年の受験者全体の成績によって合格点が決まり、合格率はおよそ15〜18%前後です。
合格点は毎年変わり、35点で合格する年もあれば、37点が必要になる年もあります。そのため、「35点取れれば大丈夫」と考えるのではなく、どんな年でも安心して合格できるよう、模擬試験では40点を目標に勉強を続けました。
勉強の中心にしたのは、とにかく過去問題集です。私は過去10年間分の問題を10周以上繰り返し解きました。
また、利用していた通信講座「フォーサイト」の動画やテキストはとても分かりやすく、市販の教材だけでは理解しづらかった部分も、動画を何度も見返し、テキストを繰り返し読み込むことで少しずつ理解を深めていきました。
ただ、何も考えずに同じ問題を解き続けたわけではありません。3回続けて正解できた問題は「もう理解できた」と判断して一度外し、その分、間違えた問題や苦手な分野に時間をかけるようにしました。
最初は何度解いても間違える問題があり、「本当に合格できるのだろうか」と不安になることもありました。それでも、間違えた問題を繰り返し解き直しているうちに、少しずつ正答率が上がり、自信もついていったのです。
宅建試験は、新しい問題集に次々と手を出すよりも、一度解いた問題を「なぜ正解なのか」「なぜ間違えたのか」まで理解しながら繰り返すことが大切だと、私は実感しました。
今振り返ると、合格できた理由は特別な才能があったからではありません。
過去問を何度も繰り返し解き、間違えた問題から逃げずに向き合い続けたこと。それが、2回目の挑戦で合格できた一番の理由だったと思っています。
2回目の受験で合格、努力は無駄ではなかった

迎えた2回目の宅建試験。
試験が終わってから合格発表の日まで、「大丈夫だっただろうか」と何度も自己採点を見返しながら、不安な日々を過ごしました。
そして迎えた合格発表の日。パソコンで合格者一覧を開き、自分の受験番号を探しました。
番号を見つけた瞬間、「やった!」という喜びと同時に、「努力は裏切らなかった」という思いが込み上げてきました。
あれだけ勉強した時間も、仕事から帰って眠い目をこすりながら机に向かった日々も、車の中で何度も講義を聞き続けた時間も、すべてが報われた瞬間でした。
もちろん、宅建に合格しただけですぐに「宅建士」と名乗れるわけではありません。
宅建士として重要事項説明などの独占業務を行うためには、不動産会社で2年以上の実務経験が必要です。実務経験が2年に満たない場合は、国土交通大臣の登録を受けた機関が実施する「登録実務講習」を受講しなければなりません。
私は実務経験がなかったため、登録実務講習を受講しました。
講習は2日間のスクーリング形式で行われ、最後に修了試験があります。事前に「難しいのでは」と少し心配していましたが、きちんと講習を受けていれば十分合格できる内容で、100点満点の受講者も多かったようです。私も100点で修了することができました。
その後は都道府県への資格登録を行いました。登録には収入証紙代として37,000円ほどかかりますが、ここまで来ればようやく正式な宅建士として登録されます。
一つ注意したいのは、宅建試験に合格してから1年以上経って宅建士証の交付を申請する場合、別途「法定講習」の受講が必要になり、その分の費用もかかることです。これから手続きをする方は、早めに進めることをおすすめします。
宅建士証を取得した後、私は不動産会社の求人に応募しました。
資格を取得したことで面接でも自信を持って話すことができ、ありがたいことにすぐ採用が決まりました。
もちろん、資格手当として月に2万円が給料に上乗せされました。
離婚後、「この先どうやって生活していこう」と不安だった私が、資格を武器に新しい仕事へ踏み出せたことは、大きな転機だったと思います。
宅建を取得したことで収入だけでなく、「努力すれば人生は変えられる」という自信も手に入れることができました。
50代からの挑戦でしたが、思い切って一歩を踏み出して本当に良かったと、今でも心から感じています。
まとめ

50代になってから資格の勉強を始めるのは、決して楽なことではありませんでした。仕事をしながら勉強時間を確保するのは大変でしたし、「本当に合格できるのだろうか」と不安になることも何度もありました。
それでも、あのとき挑戦することを選んで本当に良かったと思っています。宅建という国家資格は、仕事だけでなく、自分自身の大きな自信にもなりました。
年齢を理由に、「もう遅い」と諦める必要はありません。資格は一生の財産になります。
もし今、新しい一歩を踏み出そうか迷っている方がいるなら、ぜひ挑戦してみてください。私自身、50代で踏み出したその一歩が、新しい人生への大きな転機になりました。



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