離婚してしばらく経った頃のことです。
これからの人生をどう生きていくのか。
自由になったような気持ちと、先の見えない不安が入り混じる毎日でした。
そんなある日、ふと思いました。
――どこかへ行ってみたい。
誰かと一緒ではなく、一人で。
このページでは、離婚後に私が初めて挑戦した海外一人旅、ハワイ旅行の記録を綴ります。
もしかしたら、今、新しい一歩を踏み出そうとしている誰かの背中を、そっと押せるかもしれません。
離婚後の開放感

離婚成立の連絡を弁護士さんから受けた時のことは、今でもよく覚えています。
電話を切った私は、思わずガッツポーズをしていました。
ようやく終わった。
これで、もう一番のわずらわしいこととオサラバできた!
解放感で胸がいっぱいでした。
もちろん、離婚は簡単な決断ではありませんでした。
けれど、長いトンネルを抜けたような気持ちだったのです。
だからだったのかもしれません。
「どこかへ行きたい」
そう思ったのは。
これまでの人生は、家族を優先してきました。
自分の行きたい場所へ、自分の意思だけで旅をする。
振り返れば、そんな経験はほとんどありませんでした。
だったら今こそ、自分のために旅をしてみよう。
そう思ったのです。
旅行会社で見つけた「仙台―ホノルル直行便」

実は、英語がまったくできないわけではありません。
40代の頃にオンライン英会話を続けていた時期があり、旅行で困らない程度の英語力は身についていました。
海外旅行への抵抗はありません。
でも、「一人で海外へ行く」となると話は別です。
それでも私は、旅行会社へ向かいました。
「どこかへ行きたいな」
そんな軽い気持ちでパンフレットを眺めていた時です。
ふと目に飛び込んできたのが、
「仙台―ホノルル直行便」
の文字でした。
ハワイ。
いつか行ってみたいと思ったことはありました。
でも、自分が本当に行く日が来るとは思ってもいませんでした。
しかも、一人で。
けれど、その時の私は不思議なくらい迷いませんでした。
気がつけば、
「これをお願いします」
と申し込んでいたのです。
今振り返ると、勢いだったのかもしれません。
でも人生には、頭で考えるより先に、心が動く瞬間があるのだと思います。
そうして私は、一か月後にハワイへ旅立つことになりました。
初めてのパスポートと、旅の準備

旅行が決まってからの日々は、本当に楽しい時間でした。
本屋へ行ってハワイの旅行雑誌を買い込み、行きたい場所に付箋を貼る。
ワイキキビーチ。
ダイヤモンドヘッド。
カフェやショッピングスポット。
地図を見ながら、
「朝はここへ行って、お昼はこれを食べて……」
と予定を立てるだけで胸が高鳴りました。
そして人生で初めてパスポートを取得しました。
手元に届いた紺色のパスポートを見つめながら、ふと思いました。
この年齢になっても、まだ人生には「初めて」があるんだ。
人生は終わるまで、新しいことを始められるのかもしれない。
そんな希望が、少しだけ湧いてきました。
ハワイへ出発前の不安

とはいえ、初めての一人旅。
しかも海外です。
不安がなかったと言えば嘘になります。
まずは言葉の問題。
オンライン英会話の経験はありましたが、もちろんペラペラではありません。
せいぜい片言の英語で返せる程度です。
次に治安。
ハワイは比較的安全だと言われていますが、日本と同じではありません。
「夜は出歩かない方がいい」
「危険な場所は事前に調べておきなさい」
周囲からもいろいろ言われました。
海外で事件が起きたニュースを見るたびに、不安になったこともあります。
でも、心配ばかりしていても前には進めません。
最後は、
「なんとかなるさ」
と開き直ることにしました。
旅は、少しの勇気と勢いが必要なのかもしれません。
ハワイで感じた「英語は完璧じゃなくてもいい」

実際にハワイへ行ってみると、日本語は思っていたほど通じませんでした。
日本語対応のホテルスタッフやお店もありますが、それは一部です。
基本は英語。
でも、ペラペラでなくても大丈夫でした。
ハワイは日本人観光客が多く、現地の人たちも慣れています。
知っている単語を並べれば、ちゃんと理解してくれました。
入国審査では、こんなやり取りをしました。
入国審査官
「What’s the purpose of your visit?」
私
「Sightseeing.」
たった一言。
でも無事に通過です。
ネットで調べた旅行英会話が、そのまま出てきた時は、
「本当に言うんだ!」
と少し感動したのを覚えています。
結局、カタコトの英語と身振り手振りで、なんとかなりました。
完璧な英語よりも、
「伝えたい」
という気持ちの方が大切なのかもしれません。
お金はどうした?実際に持って行ったもの

ハワイへは、クレジットカードを2枚と現金200ドルを持って行きました。
現金を使ったのは、コンビニやちょっとした食事くらい。
お土産など大きな支払いは、ほとんどカード決済でした。
また、HISのツアーだったので、レアレアトロリーが無料で利用でき、交通費もあまりかかりませんでした。
結果として、現金はそれほど使わずに済みました。
ハワイのあたたかな風に癒されて

出発の日が近づくにつれて、期待と不安が入り混じりました。
本当に一人で大丈夫だろうか。
英語は通じるだろうか。
何かトラブルが起きたらどうしよう。
そんな不安はありました。
でも、それ以上に大きかったのは、新しい世界へ踏み出す高揚感でした。
ワクワクとドキドキをスーツケースに詰め込んで、私は人生初の海外一人旅へ出発しました。
ハワイの地に降り立ち、飛行機の扉が開いた瞬間。
暖かな風が頬をなでました。
あの時感じた空気の匂いと胸の高鳴りを、私は今でも忘れることができません。
あの旅は、単なるハワイ旅行ではありませんでした。
離婚後の新しい人生へ踏み出した、最初の一歩だったのです。



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