最近、一人で過ごす時間が以前にも増して好きになりました。
誰にも気を遣わず、自分のペースで好きな場所へ行く。そんな小さな贅沢を楽しめるようになったのは、離婚を経験したからかもしれません。
今回の温泉旅を思い立ったのは出発の前日でした。
「明日は温泉にでも行こうかな」
そんな軽い気持ちで宿探しを始めました。条件は二つ。源泉掛け流しであることと、部屋にトイレが付いていることです。
せっかく温泉に行くなら新鮮なお湯を楽しみたい。そして夜中に何度も部屋の外へ出なくて済むよう、部屋にトイレがあることも私にとっては大切な条件です。
あれこれ探しているうちに見つけたのが、岩手県一関市にある山王山温泉でした。
口コミも良く、自然に囲まれた静かな宿ということで、「ここにしよう」と決めました。
いろんなサイトを調べた結果、会員割引のある楽天トラベルが一番安くなることがわかりここで予約をいれました。
このページでは、そんな雨の日の山王山温泉で過ごした時間についてご紹介したいと思います。
雨の中、山王山温泉瑞泉郷に到着

前日、予約した日も雨だということは天気予報で知ってわかっていたのですが、やはり翌日も変わらず空はどんより、雨も結構強く降っていました。
でも、温泉入ってゆっくりしたいだけなので、「まあ、観光するわけじゃないしいいかぁ」という気持ちで出発。
宮城県在住の私は、一関までは高速で1時間30分ほどで行くことができます。
山王山温泉は一関ICから車で約20分。
高速道路は80キロ規制が敷かれており、みんな比較的ゆっくり走っていました。それでも100キロ超えるくらいのスピードで追い抜いていく車もいました。
平日ということもあり、空いていたのはよかったです。
一関ICから一般道路に出るとどんどん山の方に向かって車を走らせます。

雨でしたが、薄いベールの向こうに連なる山々は晴れの時とはまた違った情緒を醸し出しています。
時々、木々の屋根の下を潜り、一本道を山の奥へ奥へと進んでいくと、なんだか心細くなってきました。
カーナビを見ると確かにこの先に温泉マークが示されているのを確認し、自分自身を安心させながら進んでいきました。
そして、ようやく目的地である山王山温泉瑞泉郷に到着です。
正直、この日は雨だったので少しがっかりしていました。
ところが、山王山温泉に着いてみると、その気持ちはすぐに変わります。雨に濡れた竹林、静かな建物、聞こえてくる雨音……
むしろ晴れの日よりも温泉宿らしい風情があり、期待が膨らみました。
前日に思い立って予約した温泉旅でしたが、この時点で来てよかったと思えたのです。
温泉宿と部屋の雰囲気

いよいよ旅館の中へ。
自動ドアをくぐると、まず目に飛び込んできたのは売店でした。
岩手や一関のお土産が所狭しと並び、その奥にはフロントがあります。
最近は無機質でスタイリッシュなホテルも多いですが、ここには昔ながらの温泉旅館らしい温かさがありました。
雨の中を運転してきたせいか、館内に入った瞬間ほっと肩の力が抜けます。
フロントでチェックインを済ませながら周囲を見渡すと、お菓子や地酒、お漬物などが並び、思わず帰りに何を買おうか考えてしまいました。
旅館に着くとすぐ部屋へ向かりたくなることが多いのですが、この日はなぜか館内をゆっくり眺めたくなりました。
外では雨が静かに降り続いています。
その雨音が遠くに聞こえる館内は、不思議なくらい落ち着いた空気に包まれていました。
「今日は何もしない贅沢を楽しもう」
そんな気持ちが自然と湧いてきます。
チェックインを済ませたあと、まず目を引かれたのがフロント前のラウンジスペースでした。

大きな窓いっぱいに広がるのは、雨に濡れた緑の庭園。
到着するまでは「せっかくの温泉なのに雨か……」と少し残念に思っていたのですが、この景色を見た瞬間、その気持ちはどこかへ消えてしまいました。
窓の外では細かな雨が静かに降り続き、木々の緑はいっそう鮮やかに見えます。
館内には落ち着いた音楽が流れ、聞こえてくるのは遠くの雨音だけ。
時間がゆっくり流れているような感覚になりました。

部屋の扉を開けると、まず目に入ったのは畳の上に置かれた二台のベッドでした。
和室に布団にするかベッドタイプにするか迷ったのですが、こちらにして正解でした。
部屋は決して豪華ではありませんが、清潔感があり落ち着いた雰囲気です。壁紙もやわらかな色合いで、どこか家庭的な安心感があります。

実際に部屋を見てみると、ウォシュレット付きのトイレが独立して設置されており、洗面台も広めで使いやすそうでした。
温泉旅館によっては洗面所やトイレが共同の場合もありますが、その心配がないのはありがたいところです。

これは窓際に設けられた小さなテーブルと椅子のスペース。窓の外には雨に濡れた木々や庭の緑が見えます。
窓の外には雨に濡れた木々や庭の緑が見えます。
荷物を置いてひと息ついたら、いよいよ楽しみにしていた源泉かけ流しの温泉へ向かいます。
いよいよお風呂へ

大浴場のそばにはお休みどころがあります。

女風呂の赤い暖簾をくぐっていざ浴室へ。
大浴場には「冷水」「ぬる湯」「あつ湯」の三つの浴槽があり、サウナも併設されていました。
その日の気分や体調に合わせて温度を選べるのは嬉しいポイントです。
まずはぬる湯にゆっくり浸かり、体が温まったところで露天風呂へ向かいました。
露天風呂の先には柵が設けられており、その向こうは切り立った崖になっているようです。自然に囲まれた開放感がありながらも、しっかりと管理されている印象で安心して入浴できました。
正直、この日は雨だったので露天風呂は諦めようかとも思いました。
ところが岩風呂の上には屋根が掛けられていたため、雨に濡れることなく入ることができます。
せっかくなので湯に身を沈めてみると、少しぬるめのお湯が心地よく体を包み込みました。
晴れていれば目の前に広がる山々の緑をもっと楽しめたのかもしれません。
それでも、雨の日の露天風呂には晴れの日とは違う魅力がありました。
しとしとと降る雨の音に耳を傾けながら湯に浸かっていると、どこからともなく湿った土や木々の香りが漂ってきます。
ふと深呼吸をすると、かすかに緑の匂いがしました。
温泉の湯気と雨に濡れた森の空気が混ざり合い、まるで自然の中に溶け込んでいるような気分になります。
大浴場へ向かう途中の景色は本当に山の中という感じ。
温泉に入った後は美人の湯と呼ばれるだけあって、お肌のつやが良くなった気がします。
すこし部屋で休憩をしたら、いよいよ楽しみの夕食へ。
お楽しみ夕食タイム

温泉でゆっくり温まったあとは、お待ちかねの夕食です。
今回は数あるメニューの中から、国産牛のすき焼きを選びました。
席に着くと、きれいな霜降りの牛肉が目に飛び込んできます。
「これは間違いなく美味しいだろうな」
そう思わず期待が高まりました。
すき焼きだけでも十分に魅力的ですが、それだけではありません。
前菜三種にお造り、鮎の塩こうじ焼き、牛すじ煮込みなど、さまざまな料理が並びます。
さらに、ご飯や味噌汁、漬物、お茶漬けの具材、デザートなどはビュッフェスタイルになっており、自分の好きなものを好きなだけ楽しめるのも嬉しいところ。
旅館の食事というと会席料理が中心のことが多いですが、こちらは程よく自由度があって気楽に食事を楽しめました。

そして温泉旅行のお楽しみといえば、やっぱり一杯。
この日は生ビールの中ジョッキを注文しました。
湯上がりの体に冷えたビールが染みわたり、思わず「幸せだなあ」とため息が出ます。
雨の中を車で走り、一人でふらりとやって来た今回の温泉旅。
熱々のすき焼きを頬張りながらビールを飲んでいると、「こういう時間のために温泉へ来たんだな」としみじみ感じました。
肩の力を抜いて、美味しいものを食べる。
それだけなのに、とても贅沢な夜でした。
この日は寝る前にもう一度温泉に入ったら9時過ぎに就寝しました。
朝風呂後と朝食

昨夜は温泉で体がぽかぽかに温まったせいか、ぐっすり眠ることができました。
そのせいでしょうか。朝はまだ薄暗い5時前に目が覚めました。
せっかく温泉宿に来たのですから、二度寝をするのはもったいない。
身支度を整え、再び大浴場へ向かいます。
朝の大浴場は前日とは男女が入れ替わっていました。
昨日とは違う浴場を楽しめるのも、温泉宿ならではの楽しみです。
しかも時間が早かったおかげか、浴場には誰もいません。
まさかの貸切状態でした。
静かな浴場に響くのは湯の流れる音だけ。
広い湯船を独り占めしながら、ゆっくりと湯に身を沈めます。
窓の外には雨に濡れた緑が広がり、朝の澄んだ空気が漂っています。
なんとも贅沢な時間でした。
温泉を満喫して部屋へ戻ると、7時からの朝食まで時間がまだ時間がありました。
早起きしたせいか、お腹はペコペコ。
仕方がないので持参していたパソコンで少しだけ執筆。
気がつけば7時5分。
慌てて朝食会場へ行きました。
すると、料理がずらりと並んだビュッフェコーナーが。
山菜料理や漬物、焼き鮭、たらこ、温泉卵、スクランブルエッグ、ウインナー、野菜サラダ、フルーツ、ヨーグルトなど、朝から目移りしてしまうほどの品数です。
さらに岩手らしい芋煮や味噌汁も用意されていて、どれも美味しそう。
あれもこれも食べたくなりましたが、さすがに全部は無理です。

悩んだ末に、私は山菜料理を中心に、漬物や温泉卵、そして芋煮を選びました。
優しい味付けの山菜料理は、温泉旅館の朝ごはんらしい素朴な美味しさ。
具だくさんの芋煮も体が温まり、朝からほっとする味でした。
本当はもっとたくさん食べたかったのですが、お腹には限界があります。
それでも十分満足できる朝食でした。
そして嬉しかったのが、食後のコーヒーです。
会場には蓋付きの紙コップが用意されており、コーヒーを部屋へ持ち帰ることができます。
コーヒーを片手に部屋へ戻り、窓の外の雨に濡れた庭を眺めながらひと休み。
慌ただしい日常ではなかなか味わえない、ゆったりとした朝の時間を過ごすことができました。
前日に思い立って予約した今回の温泉旅。
雨ではありましたが、そのおかげで静かな景色と温泉を満喫できたような気がします。
温泉の帰りは道の駅と博物館へ

チェックアウトを済ませたあと、そのまま帰るのは少しもったいない気がして、近くにある厳美渓の道の駅と一関市博物館へ立ち寄ることにしました。
相変わらず空は厚い雲に覆われ、雨が静かに降り続いています。
まず訪れたのは道の駅厳美渓。
木の温もりを感じる建物の中には、地元で採れた新鮮な野菜や果物、お菓子、工芸品などが並び、見ているだけでも楽しくなります。
旅先の道の駅は、その土地の日常が垣間見える場所。
思わず売り場を何度も行ったり来たりしながら、お土産選びを楽しみました。

そして次に向かったのが一関市博物館です。
雨に濡れた重厚な建物は落ち着いた雰囲気があり、ゆっくり見学するにはぴったりの場所でした。
館内には一関の歴史や文化、暮らしに関する資料が数多く展示されています。
昔の人々がどのように生活していたのか、この地域がどのような歴史を歩んできたのかを知ることができ、とても興味深く感じました。
まとめ
温泉で心と体を癒やし、道の駅で地域の魅力に触れ、博物館で土地の歴史を学ぶ。
思いつきで出かけた一泊二日の温泉旅でしたが、振り返ってみると想像以上に充実した時間になりました。
天気には恵まれませんでしたが、雨の日ならではの静かな景色と落ち着いた空気を味わえたのも良い思い出です。
また季節を変えて訪れたら、今度は晴れた日の厳美渓や山々の景色も楽しんでみたいと思います。
今回かかったお金
宿泊費 一泊二食(大人一名)¥12,100
生ビール中ジョッキ ¥820
入湯税 ¥150
合計 ¥13,070
高速料金 仙台宮城IC〜一関IC(往復)¥5,080
ガソリン代 ¥1,720
一関博物館入館料 ¥300
今回使った金額合計 ¥20,170
平日の宿泊でしたが、とってもリーズナブルなお値段の割に温泉も食事も大満足でした。
楽天トラベルでの予約だったため、楽天会員割引もあったのでお得に泊まれたと思います。


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